虹の橋のたもとで


まだ思い出すと涙が出ることがあります


3月の終わり、桜が満開で満月のきれいな夜でした

以前ブログでご紹介したおじいさんこと、しんが旅立ちました


倒れたあと、奇跡の復活を遂げ

よろよろしながらも極寒の冬を乗り越えて

私は会う度に安堵していました

その姿を動画や写真に残していたのは、別れへの覚悟の表れだったのかもしれません

最後の動画はお別れの一週間前

軽やかに走って、相変わらずこちらの声には聞く耳持たず、楽しそうでした

元気だったので安心して帰ったのです


お別れは突然やってきました


いつか来る別れの時のために自分がどうなるのか想像しようとしたこともありましたが、感情が堰を切ったようにあふれるだろうということしかわかりませんでした

実際私はしばらくの間ただただ悲しみに飲み込まれることとなりました

しんがいない日々を過ごし始め、

会いたいと思うと、いないんだと思うしかなく

触れたいと思うけど、やっぱりいないんだと思うしかない

だけどあちらこちらにしんが見えるようで余計に会いたくなる

しばらくは不在によって存在を強く感じるばかりでした

何かにつけて姿が浮かぶのです

こう長く共にいると、記憶や感覚の隅々に存在が絡まっているのだなと実感しました



ふにゃっと垂れた薄い耳が可愛かった

人差し指と中指の間にペラペラの耳を挟みながら軽く引くことを繰り返す

しんはお好きにどうぞと転がったまま

指の間の柔らかな産毛のような短い密な毛が気持ち良く、それは私の中の大好きな癒しのときでした

両手で鼻周りを覆ってすっぽり収まる小顔の感触

あの大きさ、あの幅、あの温もり、あの柔らかさが愛しい

そのまま首回りを挟んで、し〜んと名前を呼びながら、左右に揺らして遊んでいた

いつもしんは怒ることはなく付き合ってくれていました

久しぶりに実家に行ったときは、握手がてらお鼻を軽く握ってご挨拶

元気だった〜?し〜ん

分かる〜?誰でしょ〜?

とおじいさんに声かけするように私は大きめの声でゆっくりしんに話しかけていました


そんな日常を思い出すと

最期の冷たく硬い身体の感触やゴワゴワになった刺さるような毛の硬い感触が湧きあがる

そして涙が流れるのです

命って、温もりであり、柔らかさなんだ

あれはまさに亡骸

しんの命、魂はそこにはいない

身体が痛かったから、ボディスーツを置いて出て行ったのかもしれない

未知の世界のことだからしくみがわからず、悲しみを振り切るために好き勝手に想像したり、思い込んだりの繰り返し





言葉にするだけで、もれなく涙がついてくる日々

しんのことを知る方に、伝えられるようになったのは少ししてから

ひと月くらい経ったころ久しぶりに連絡を下さった以前の職場の方にも伝えると

“虹の橋の詩を思い出しました

きっとしんは元気な姿で虹の橋のたもとで遊んでいるよ”

とお返事いただきました


その詩のことは知らなかったので、早速調べてみると、飼い主より先に亡くなったペット達が、天国にかかる虹の橋のたもとの草原で元気に過ごして、飼い主がやってきた時に迎えてくれるという内容でした

本当にこうであってくれたらどんなにいいだろう

長く共に暮らしたペットを亡くされ、涙ながらにお越し下さった何人ものお客様

皆さんこの詩はご存知だろうか

私も、自分なりに肉体なきしんのその後をあれこれ想像してみたけれど、弱く淡いイメージに過ぎませんでした

このくっきりとした虹の橋の詩の世界観にふわりと安心できました


本当に可愛くて面白くて大好きだった

長い間私たち家族と共にいてくれてありがとう

私たちがそちらに行った時に迎えてくれたら嬉しいな



余談というか、本題ですが、

今朝、本を読んでる途中、顔を上げると窓からさす朝日の光の中、ふとしんが現れて寄ってきたように見えました

しん亡き後、近づいてきてくれたのは初めてだったので、本当に嬉しかった

しんも笑っているように見えました

実はこの日が四十九日

調べてみると、この日は閻魔様が天国行きか地獄行きかを裁く日なのだそうですね

しんが閻魔様の前でおどおどして、やや上目遣いでお座りしてる姿は居たたまれない

それより虹の橋のたもとの草原で生き生きるんるんしてる方がしっくりくる

草を食み、しっぽふりふりあちこち匂いを嗅ぎまわり、日向ぼっこやお昼寝をして、夜には俊敏に走りまわっている

そうやっていつか私たちが行くのをのんびり待っていてほしい


虹の橋に行く前にお別れに来たのかな

なんて都合よく想像してみました


命って、肉体に宿っている

生きてる間なのです

触れて、会話して、ともに歩むことができるのは


今、周りに存在してくれる大切な人たちと大切に時を過ごしたい

全ては有限なんだし










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